貿易を行う上で最も重要となる書類「インボイス(INVOICE)」。輸出でも輸入でも、ほぼ必須書類となっています。

初めてインボイスを作成する方、久々に作成する方、どんな項目を記載すればいいか忘れてしまった方向けに、インボイスの書き方を解説していきます。
インボイスの役割など基礎知識をご紹介しながら、書き方、注意事項までみっちりと解説していきます。

インボイスとは何か？

インボイスとは、海外へ荷物を送る際に必ず求められる書類となり、日本語では「商業送り状」と訳されます。
近年では軽減税率の施行に伴うインボイス制度もあり「請求書」との訳も一般的になりつつあります。

なぜ、「インボイス」という言葉に複数の意味があるかというと、そもそもとしてインボイスは複数の役割を兼ねている書類だからです。

インボイスの役割

インボイスには主に３つの役割があります。

• 輸出する商品の品名、種類、数量、価格などの「明細書」
• 輸出者が輸入者に対して求める商品代金などの「請求書」
• 輸出者が輸入者に対して送る商品の「納品書」

一般的に、国内取引の場合、これら３つの書類は、異なる役割の書類として使い分けられているかと思います。
しかし、貿易取引におけるインボイスとは、これらすべてを集約した書類なのです。

またインボイスは商取引だけでなく、通関の際にも必須となる書類です。

インボイスの種類

貿易取引において、用途別に「インボイス」と名の付く書類には、複数の種類があります。

■プロフォーマ インボイス（Proforma Invoice）
見積書として作成されるインボイスで、価格などが変わる可能性があるので、通常正式なインボイスとしては使用しません。コマーシャル インボイスの発行に時間がかかる場合に、仮書類として作成するケースもあります。

■コマーシャル　インボイス（Commercial Invoice）
一般的に「インボイス」といえば、コマーシャル インボイスを指し、正式なインボイスがこの「コマーシャル インボイス」となります。
またそのほとんどで、税関で貨物の輸出入をする許可を得る（通関する）際の書類としても使用されます。

■シッピング　インボイス（Shipping Invoice）
納品書のみの役割として作成され、配送指示書などとして使用されます。
コマーシャル インボイスのような役割はほぼありません。

■カスタムズ　インボイス（Customs Invoice）
税関向けに作成する書類となります。
コマーシャル インボイスで代用される事がほとんどですが、輸出先国によって特定の国では専用に必要とされる事があります。

通関書類としての役割

海外から貨物を輸入する場合、または海外へ貨物を輸出する場合には、各国の税関にて品名や種類、数量、価格などの情報を記載した「明細書」を提出し、輸出入の許可を得る必要があります。

このことを「通関」といいます。

また通関は、輸出・輸入の両方で必要となりますが、特に輸入の際には関税などの税金を支払わないと、貨物を受け取ることが出来ません。

その際の関税、付加価値税の算出のため、貨物の商品価値の根拠が必要となりますので、インボイスの明細、価格を、輸出入申告時の根拠として使用するわけです。

インボイスの書き方・必要項目

インボイスは特に決められたフォーマットが無く、必要事項が記載されていれば問題ありません。
ただし、記載する項目には一定のルールがあり、記載内容の不備があると税関での手続きが行えず、通関できません。

取引相手にも迷惑がかかってしまいますので、インボイスに記載すべき内容はあらかじめ確認して、漏れが無いように注意しましょう。

参考記事：インコタームズ2020について、わかりやすく解説！

インボイス作成の注意点：無償での提供品

プレゼントや商品見本など、輸送品が無償提供する荷物である場合でも、「金額0円」としてインボイスに記載することはできません。品目の単価、金額には、市場価格を必ず記載する必要があります。

そして金額を記入した上で、無償であることを意味する「No Commercial Value」という記載し、無償で提供する理由を記載します。

その理由として商品は無償提供であっても、通関時に関税がかかるためです。
この関税の算出のために、インボイスに価格を記載する必要があるのです。

【まとめ】インボイスとは？書き方と種類・注意事項など徹底解説！

インボイスは取引相手との商取引の書類としてだけでなく、通関のための輸出入申告手続きにおいても重要な役割を持ちます。
輸出・輸入どちらの側の立場であっても、インボイスの内容はしっかり確認する様に注意しなくてはなりません。

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