貿易業務と会計処理の課題!会計システムとの仕訳連携で解決

貿易業務と会計処理の課題!会計システムとの仕訳連携で解決

貿易業務を行う企業様にとって、会計や経理のお悩みを抱える企業様も多いのではないでしょうか。
貿易管理では、INVOICE単位でお金のやり取りが発生し、国内の販売管理システムが外貨に対応していないと、Excelで対応しているため業務が煩雑化、属人化しているなどのケースもよくお聞きします。

今回は、貿易業務と会計・経理業務における課題と貿易管理システムを利用した具体的な解消方法についてご提案をさせていただきます。
ぜひご一読くださいませ。

貿易業務と会計処理における課題

貿易業務と会計処理における課題

国際取引の場合、お金のやり取りは取引単位(INVOICE単位)で行われます。
販売管理システムや会計システムが外貨に対応していない場合には貿易業務のご担当者様、経理のご担当者様の双方でINVOICE単位の売掛金あるいは買掛金の管理表をExcelなどで作成して管理されているのではないでしょうか?

為替変動による評価損益の計算が煩雑であったり、為替予約を使った支払の管理が複雑あったり、作業が属人化しているという課題をお持ちではないでしょうか?

今回は経理部門の方の視点でTRADINGを導入していただくことで、為替変動による評価損益の管理していただけること、為替予約機能についてご紹介させていただきます。
国際取引で発生する仕訳データを会計ソフトへ連携する機能についてもあわせてご紹介させていただきます。

解決!為替変動による評価損益の管理

解決:為替変動による評価損益の管理

外貨建てで取引を行うと、外国為替の変動の影響を受けます。
TRADINGで取引の管理をしていただくうえで、どのようにレートを適用していくのか、取引発生日と決算日のレートで発生した為替差損益がどのように計算されるのかをご説明いたします。

まずTRADINGでは「通貨マスタ」と呼ばれるメニューよりお取引でご利用されている通貨のデータをマスタデータとして管理します。

貿易管理システム「TRADING」の「通貨マスタ」画面

CDは任意の値を2桁で登録していただきます。
「通貨名」の項目には輸出入の書類を作成していただく際に書類上に表示する通貨名をご登録いただきます。
(ドラフト用整数部・小数部のご説明は割愛させていただきます。)

「帳票RATE」項目には期末時点での洗い替えに使用したい決算レートをご登録いただけます。
(洗い替え法を採用しているので取引データの計上レートを書き変える機能ではありません。)
「1月」から「12月」の項目にはTTBレート、TTSレート、または社内レートをご登録いただきます。

システム全体で固定になってしまうということではなく、取引のデータごとにレートを設定していただくことが可能となっています。
実際に取引データの作成例をご覧ください。

受注情報をもとに「売上」というデータエントリーにて在庫データの出荷(引き落とし)と売掛金のデータを作成します。
「販売先CD」項目に取引先情報を登録してある販売先マスタのCDをセットします。

販売先マスタに登録された通貨CDを初期値として「通貨」項目にセットし、その通貨CDを参照して通貨マスタに登録されている月別のレートを「計上RATE」項目へ初期値でセットします。

貿易管理システム「TRADING」の「計上RATE」画面

「計上Rate」項目は「計上日」項目の日付に紐づいて該当する月の情報を参照しています。
例えば「計上日」項目を2月中の日付に変更した場合「計上RATE」項目は「157.85」という値に切り替わります。

このレートはあくまでも初期値としてセットしますので、お取引ごとにレートを登録していただくことが可能となってます。
決済時のデータ登録も同様です。

「入金処理」機能を例にご説明いたします。
通貨CDを参照して「入金日付」項目の該当月のレートを初期値としてセットします。

実際のレートは「決済RATE」項目に入力していただけます。
画像の例では「146.94」から「153.1234」へ変更しています。

貿易管理システム「TRADING」の「計上RATE」画面2

取引のレートは「明細」タブのなかの「計上RATE」に表示されています。
このレートは取引のデータに登録されている情報なので、「入金処理」機能では変更ができないものとなっています。

取引発生時のレートと決済時のレートにより生じた為替差損益はシステムが計算し、「明細」タブの「為替差損益」項目に表示します。

貿易管理システム「TRADING」の「為替差損益」画面

ご登録いただいたデータは入金明細一覧表等の資料印刷機能にてご確認いただけます。

為替予約機能のご紹介

先述しておりますように外貨建てで取引を行うと為替リスクが伴います。
為替リスクを回避するための代表的な手段が為替予約です。

為替予約は、あらかじめ決められた期間後に、あらかじめ決めた為替相場で外国為替の売買を行う取引です。
為替予約の仕組みについて下記URLのコラムをご一読ください。

【図解付き】為替予約とは?仕組みをわかりやすく解説!|サンプランソフト

為替予約のメリットとデメリットについては、下記URLのコラムをご一読ください。

為替予約のメリットとデメリット!為替相場だけじゃない?|サンプランソフト

TRADINGでは「為替予約」機能を搭載し、銀行や信用金庫の情報をご登録いただく銀行マスタに基づき、通貨ごとの為替予約情報をご登録いただけます。
輸出、輸入に分けて為替予約データの登録が可能となっています。

貿易管理システム「TRADING」の「為替予約」画面2

実際に登録いただいたデータは決済時に「入金処理」機能をご利用いただき、売掛金の消込処理を行うことができます。
「為替予約」に登録した「Rate」が「入金処理」画面の「決済RATE」に自動でセットされます。

この為替予約データの予約残金は「前受金」機能で前受金として扱うことも可能となっています。

貿易管理システム「TRADING」の「前受金」画面

為替予約の評価損は、為替レートの変動によって生じる損失であり、外貨取引を行う企業にとって避けられないリスクの一つです。

TRADINGでは「為替予約」機能でリスク管理を行っていただくと同時に取引ごとに登録していただくデータで発生した為替差損益の管理も行っていただけます。

貿易管理システムと会計システムの仕訳連携

今まで貿易業務のご担当者様、経理のご担当者様の双方でExcelなどを作成する必要があった売掛金あるいは買掛金の管理はTRADINGの標準機能をご利用いただければ一元管理が可能となっております。

システム化することでExcel作成の手間が減り、属人化の解消にも繋がります。

また、TRADINGにはお取引ごとに仕訳データを作成し現在お使いいただいている会計ソフトへのデータ連携機能をオプション機能として搭載しております。
「勘定科目」マスタの登録を行っていただき、消費税分類ごとに「仕訳パターン」マスタを整備していただくことでお取引ごとに「仕訳パターン」を適用して仕訳データを作成します。

「入荷」機能で在庫データを登録していただく際に発生する買掛金の仕訳はパターン化して自動で仕訳処理を行います。
「売上」機能で在庫データを出荷(消込)していただく際に発生する売掛金の仕訳もパターン化して自動で仕訳処理を行います。

この機能は海外取引のみならず、国内取引においてもご利用いただけます。
国内取引の仕訳パターンと海外取引の仕訳パターンをそれぞれ登録いただけます。

貿易管理システム「TRADING」と会計システム連携

債権債務の消込で使用するデータエントリーには「勘定科目」タブがあり、金額ごとに仕訳を登録いただけます。
前受金や未払金等を管理する「振替伝票」メニューも「勘定科目」タブにて登録金額ごとに仕訳を登録していただけます。

貿易管理システム「TRADING」と会計システム連携、勘定科目

オプション機能のACCOUNT V3にて会計ソフトの取込レイアウトに沿ってCSVデータを出力した結果のサンプルをご紹介いたします。

貿易管理システム「TRADING」と会計システム連携、CSVデータ

借方の仕訳、貸方の仕訳のほかにも伝票日付や部門コード、伝票摘要欄のデータ出力も行っております。

まとめ

今回は外貨建てで行う取引の売掛金や買掛金の管理から仕訳データの作成と会計システムへの連携まで、簡単ではありますがご紹介させていただきました。
この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。

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