【貿易】Applicationとは?役割や記載例、INVOICEとの違い、効率化の秘訣を解説
貿易業務においてApplicationは、”銀行へのとある提出書類”を指します。
本稿では、貿易におけるApplicationの解説を中心に、実際の記載例や業務効率化についてもご紹介していきます。
目次
貿易における「Application」の意味とは?
まずは上述した、貿易における“Application”の意味合いを確認していきましょう。
主に2パターンあり、「Application for Negotiation」を略した買取依頼書、または「Application For Remittance with Declaration」を略した送金依頼書を表します。
前者の買取依頼書は、L/C(信用状)貿易において、輸出者が買取銀行/通知銀行へ為替手形や書類の買取(もしくは取立)を依頼する為のものです。
そして後者の送金依頼書は、輸出者が商品の代金を銀行に送金してもらう為の書類になります。
“with Declaration”というのは、合わせて提出する送金理由の申告書を表しています。
これは買取依頼書とは異なり、INVOICEやB/LなどのL/C書類を付帯せず、銀行が送金の目的を把握するために用いられます。
本稿では、前者の「買取依頼書」についてを深堀りしていきます。
一般的な流れとしては、輸出者が船積を完了→L/C書類一式(INVOICE、B/L、為替手形など)の準備完了→銀行へ書類一式とApplicationを提出し、為替手形の買取/取立を依頼、といった順になります。

また、銀行に向けた買取/取立の意思表明としてのみでなく、依頼者の入金先口座や手数料負担の指示や、L/C条件に合致した書類を提出したという証拠能力、場合によってはディスクレ(書類不備)時の手形買戻し保証といった機能を有しています。
PROFORMA INVOICEとApplicationの違い
Applicationとセットで覚えておきたいのがPROFORMA INVOICE(仮送り状)です。
詳細についてはリンク先で解説していますが、輸入者の支払い手続きが商品の出荷より前になる場合、つまりCOMMERCIAL INVOICEが間に合わない際にL/C(信用状)開設手続きの証拠書類としても利用されることから、銀行へ提出することがあります。
以下の表も合わせて、違いをご確認いただければと思います。

Applicationの記載例・テンプレートの紹介
ここからは実際の書式を用いて、Applicationへの記載内容を紹介していきます。
なお書式については国際標準などで決まった形式はなく、企業ごとに独自のフォーマットを作成、もしくは銀行が提供しているものを使用するケースが一般的です。
まずは下図でカテゴリごとに把握をしてみましょう。

続いては、各カテゴリで主に必要とされる記載項目を見ていきます。
●DRAFT関係
手形の金額、支払条件(Tenor)、振出人(Drawer)、支払人(Drawee)など、手形の基本情報を記載します。
●L/C関係
信用状番号、発行日、発行銀行、申請者(Buyer)、有効期限(Shipment・Negotiation)など、買取の前提となる信用状条件を記載します。
●D/P D/A関係
支払条件(D/P または D/A)、通知方法、未払・未承諾時の連絡指示、手数料負担者、プロテスト要否、送金方法など、銀行への取立指示を記載します。
●SHIPMENT関係
B/L番号、B/L日付、貨物内容、数量・重量、船名、船積日、積出港、仕向地など、船積実績を記載します。
●添付書類関係
為替手形、商業送り状、梱包明細、保険証券、原産地証明書、検査証明書、B/Lコピーなど、添付書類の種類と部数を記載します。
●署名欄関係
会社名、権限者の署名、役職、日付、担当者名、連絡先など、依頼内容を正式に承認するための情報を記載します。
ここまで主な機能や記載内容を述べてきましたが、次項ではApplicationならびに船積書類の業務効率化についてご紹介していきます。
船積書類作成の効率化について
大阪府のとあるBtoC企業では、INVOICEやPACKING LISTなどの船積書類をExcelで作成していました。
しかしSKU数や明細数が膨大なことからケアレスミス、ヒューマンエラーへの対応も重なり、書類作成に多大な工数を要していました。
加えて輸出業務を1名で担当していることから、属人化・および引継ぎの教育コストなども踏まえ、業務効率化が急務となっている状況でした。そこで導入を決めたのが、とある貿易管理システムです。

システムの活用により、これまでExcelで苦慮していた入力・転記作業やそれらの書類品質についてが解消され、かつ船積書類がデータベース化されたことから、まず担当者への脱・属人化を実現されました。
そして書類品質向上や標準化にとどまらず書類の自動作成機能を活用することで、準備~書類の品質チェックまでの工数をなんと5分の1に短縮され、今後の事業拡大にも充分対応可能な体制が整えられたという事例でした。
【小売業】株式会社赤ちゃん本舗 × サンプランソフト「TRADING」導入事例|船積書類作成を5分の1に短縮、脱属人化と標準化を実現|
提出自体は可能です。ただし “Discrepancy(不一致)を承知の上でネゴ依頼する” という扱いになります。
銀行は書類審査後、不一致通知(Discrepancy Notice)を出し、輸出者が「不一致のまま買取希望」か「修正して再提出」かを判断します。
L/Cに記載されたTenorが絶対的な基準です。頻出ミスとして、INVOICEの支払条件をそのまま記載してしまうといったケースがありますので、注意が必要です。
銀行によりますが、多くは社印判のみでも受理可能です。ただし、以下の場合は担当者のサインを求められるケースが見られます。
- 依頼内容が通常と異なる(例:不一致承認、特別指示)
- 会社の外為取引契約で「記名者の署名必須」と定められている
- 電子フォームではなく紙で提出する場合 など
【まとめ】貿易でのApplicationとは?業務効率化も解説
■貿易における「Application」の意味とは?
→買取依頼書(Application for Negotiation)を表し、銀行へ手形の買取・取立を正式に依頼する為の書類
■PROFORMA INVOICEとApplicationの違い
→見積・契約前の条件提示に使う見積書と、銀行に買取・取立を依頼するための申請書という性質の違い
■Applicationの記載例・テンプレートの紹介
→企業ごとに独自のフォーマットを作成、もしくは銀行が提供しているものを使用するケースが一般的
■船積書類作成の効率化について
→貿易管理システムの導入により、属人化の解消から工数削減までを実現した例を紹介
本記事では、貿易におけるApplicationの紹介や実業務上でのプロセス、関連するワードについてご紹介しました。
今後は経済産業省が推進する「貿易DX」をはじめとし、業界内においても貿易管理の自動化やソフトウェアとのデータ連携等がさらに進む中、ドキュメント作成の属人化やフォローアップに不安を感じる場面も増えていくかもしれません。
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この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
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