Accessでの貿易管理は限界?システム化による業務改善効果を解説

Accessでの貿易管理は限界?システム化による業務改善効果を解説

Microsoft社のAccess2021が2026年中のサポート終了を明言し、Microsoft365版においてもクラウド非対応/同時利用の安定性への不満といった扱いづらさに注目が集まりがちな昨今。

海外拠点やリモート勤務が進み、より継続して扱いやすいシステムを導入する意義は高まっているといえるでしょう。
本稿では、貿易管理システムとAccessの比較を中心に、実際の業務改善例や効率化についてもご紹介していきます。

Accessでの貿易管理における課題とは?

Accessでの貿易管理における課題

小規模なデータベースの構築、そして、Excelであれば破綻しがちなデータ量・整合性をフォーム+テーブルで管理可能なのが、Microsoft社のAccessへのイメージかと思います。
加えて安価であることから、これまでミニマルな貿易業務においては「ひとまずAccessで管理しよう」という流れが多く見られました。

しかし、Accessにも弱点があります。

1ファイル2GBまでという制限をはじめ、複数ユーザーでの操作時にレスポンスの低下・ファイル破損のリスクが高いといったデメリットです。
これらは業務規模の拡大や、使用年数とともに増えるデータ量に比例して発生しがちです。

ファイルを年ごとに分けるなど運用次第でカバーできる部分もありますが、小規模かつ短期間での利用でないのであれば、安定した専用ソフトウェアの導入がお勧めといえるでしょう。

次に、冒頭にも述べた”クラウド非対応”という点についても着目していきましょう。
そもそもAccessはWindows上のファイルを用いたデータベースですので、共有範囲は基本的に社内LANや社内ネットワーク上となります。

結果、昨今のクラウド・SaaSサービスのようにブラウザ経由での利用には対応していないのです。
またAccessのデータファイルがファイルサーバー上にある場合、リモート環境ではネットワーク遅延の影響による処理速度の低下を招くことから推奨されません。

そして、最も大きなデメリットとして、貿易業務の高度な要件が立ちはだかります。

船積スケジュールやL/C管理など、複数人での入力や基幹システムとの連携、最近では電子帳簿保存法の改正に伴うデータ管理について、内製でどうすべきか頭を悩まされた方も多いのではないでしょうか。

次項では、実務ベースでの課題点について紹介していきます。

輸出入書類作成の属人化について

輸出入書類作成の属人化

まずは、ブラックボックス化についてです。
Accessでは入力画面や帳票を自身で作成可能ながら、複雑な画面についてはVBAが必要となります。

社内で得意な方が常に整備・点検をすれば確かにローコストではありますが、もし急な欠勤や退職などがあると社内外で誰も手が出せない状況に陥りがちです。

次は作業者依存の運用についてです。

1ファイル2GB上限という仕様を持つAccessは、ファイルを年単位などで分ける運用となりがちです。
特に輸出入業務ではPDF添付や受注・出荷データなどが国内取引と比べて多く、簡単に容量を超過する場合も多く見られます。

つまり、過去データの内容や管理・保存方法が担当者依存であり、どのファイルに何が書かれているかを「人が覚える運用」になりやすいということです。
また、Accessは列数・項目数が可変の書類に弱いという点があります。

輸出入書類は品目数、梱包明細の行数など可変の項目が多く、Accessで対応しようと思うと固定行になんとか押し込む、またはVBAで動的に列を生成するといったUXの低下といったように、更なるブラックボックス化を招きます。

このようにAccessでの管理を続けた場合、ファイルの作成者、ならびに輸出入書類作成の担当者への属人化が起こりやすいといえるでしょう。

貿易ソフトとAccessの比較

続いては貿易管理システムとAccessを、4つの観点から比較していきます。

●機能のアップデート

Accessは個別開発やVBAに依存するため、担当者が不在になると更新が止まりやすく、また制度変更への追従も大きな負担になります。
対して、一般的な貿易管理システムであれば、制度変更も含めてパッケージとして継続的にバージョンアップされ、輸出入・在庫・販売などの標準機能が定期的に強化されます。

●操作性の差

Accessは画面や帳票レイアウトなどが担当者ごとに独自仕様になりやすく、機能ごとに操作方法がバラつきがちな傾向にあります。
一般的な貿易管理システムの場合は輸出入・在庫・販売を共通UIで扱えるため、同じ操作で処理でき、引き継ぎや教育が容易になります。

●データの共有

Accessはファイル型DBのため同時利用に弱く、クラウド共有も難しいため、部署間でのデータ共有が不便になりがちです。
対して最近の貿易管理システムはクラウド提供型も増え、複数拠点・在宅勤務からの同時利用で受注から船積書類まで一元的に共有可能なものが多く見られます。

●サポートについて

Accessは開発者や担当者が退職すると保守が困難になり、VBA部分の解析に時間がかかることもあります。
一方、貿易管理システムの多くは専用サポート体制が存在し、運用相談やアドオンにも継続的に対応できる点が強みです。

貿易ソフトとAccessの比較

システム導入での課題解決例をご紹介

こちらの事例はAccessと同じく身近な存在であるExcelでの貿易管理について、属人化の解消という視点から貿易管理システム導入の効用についてご紹介していきます。
愛知県のとあるメーカーでは輸出業務を始めた当初、Excelに長けた担当者がマクロを組み、各担当がExcelベースで商品マスタの管理や船積書類の作成を行われていました。

しかし事業規模が拡大するにつれ、特定の担当者しかマクロを編集できない/実務作業が滞るといった状態となっていきました。
そして、今後の部署移動や海外出張なども踏まえ、特定の人ではなく「誰でも輸出業務が行えるように」との想いから、ある貿易管理システムを導入されました。

結果として、マスターデータのメンテナンス性向上や書類の自動作成機能による業務効率upもさることながら、最も大きな成果としては「誰でもフォローアップできる体制」への変化を実感されていました。
特に、シンプルかつOJTの容易な製品を選ばれたことで、教育コストの低減とともに属人化の解消へ繋がったという事例でした。
あの人しか分からない業務が・・・とお悩みの方にとっては、魅力的な成果ではないでしょうか?

【家具メーカー】カリモク家具 × TRADING導入事例|属人化脱却・誰でも輸出業務ができる体制へ|サンプランソフト

Q.
Accessでの貿易管理はなぜ推奨されないのですか?

データ量が膨大になりがちな貿易業務とAccessの1ファイル2GB制限との相性が悪い事や、貿易業務特有の多通貨・Rateの関係する箇所、および法改正時などでの実装が煩雑であり、整備コストや属人化の面から推奨されません。

Q.
Accessになくて、貿易管理システムにあるメリットは?

選定するシステム次第ですが、SaaS対応のものでは外出先や国外からの使用が可能なものもあります。また書類の自動作成機能をはじめ、業務効率化に便利な機能が備わっているシステムも存在します。

Q.
Accessでは難しい「外貨管理」は、貿易管理システムではどう扱われますか?

システムによって詳細は異なりますが、マスターデータに外貨を追加することで、為替差損益の計算に対応しているものもあります。

【まとめ】Accessから脱却!貿易管理システムのメリットとは?

■Accessでの貿易管理における課題とは?
→容量や共有性能に制限があり、法改正への対応コストやクラウド非対応というデメリット

■輸出入書類作成の属人化について
→Accessは担当者単位で構築やファイル管理が可能な反面、輸出入業務においても特定の人しか編集や実務作業の方法が解らなくなりやすい

■貿易管理システムとAccessの比較
→継続的なバージョンアップやサポート、ならびにクラウド対応による国内外/リモート環境での使用も可能

■システム導入での課題解決例をご紹介
→シンプルかつOJTの容易な製品を選ばれたことで、教育コストの低減とともに属人化の解消に繋がった

本記事では、貿易管理システムとAccessの比較、および実際の業務改善例や効率化について紹介いたしました。
電子帳簿保存法や内部統制の強化など、書類の正確性がより重視される中、内製でのAccess運用や手入力ではミスや抜け漏れが心配になる場面も増えてきます。

書類作成のシステム化によって、管理者・担当者問わず属人化の解消にお悩みの方は導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

著者:株式会社サンプランソフト
1994年の設立以来、一貫して貿易システムの開発・提供に取り組んでいます。
弊社が提供する貿易管理システム『TRADING』は、輸出入・輸出・輸入・国内販売管理に関わる業務を一元管理し、
貿易業務の標準化と効率化を実現するクラウド型パッケージソフトです。
これまでにのべ2,000社以上の導入経験から得たノウハウを活かし、お客様の課題解決を支援しています。