【貿易】売約書(SALES NOTE)とは?テンプレートや書き方などを解説!

【貿易】売約書(SALES NOTE)とは?テンプレートや書き方などを解説!

日頃、家電・家具量販店などで買い物をした際に手渡される注文控え、ならびにECサイトでの購入後に受け取る注文確認メールといったように“注文請書”に該当する書類は、私たちの身近にも多く取り扱われています。

こと貿易管理においても、売約書 (SALES NOTE/SALES CONTRACT) という呼称で日々発行される書類が存在します。
本稿では、SALES NOTEの意味、テンプレートや書き方、業務効率化のポイントまで、具体例を挙げつつご紹介していきます。

売約書 (SALES NOTE/SALES CONTRACT)の意味・役割

売約書 (SALES NOTE/SALES CONTRACT)の意味・役割

売約書 (SALES NOTE)とは、商品の売買契約が成立した際に、売主が買主へ発行する売買契約書(または販売契約書)のことです。売る約束を交わしたという書類であり、一般的に輸出者が輸入者に宛てて作成するものです。

ただ、実際のところ売約書を交わさなくとも、口頭のみの約束で売買契約は成立します。
書類そのものでは契約の効力を持ちえないということですね。売買書作成の目的は、詰まるところリスク回避に尽きます。

トラブルにおいていわゆる「言った/言わない」の水掛け論になった場合に、被害を被った側が損をしやすい傾向となりやすいためです。
例えば、輸入者が入金をしたにも関わらず、一向に商品が発送されないといったケースがありますね。
他にも自然災害や事故による不可抗力での損害などもままあるでしょう。

このようなトラブル発生時に契約内容を書面で残しておくことで、相手方へ証拠として提示が可能となります。加えて買主/売主のどちらがどこまで危険を負担し、損害を補填するのかを明確にするという機能も持ちあわせています。

次項では、このSALES NOTEの記載例を紹介していきます。

SALES NOTEのテンプレート・書き方を解説

ここではSALES NOTEの所要項目について、下図を例に見ていきましょう。

SALES NOTEのテンプレート・書き方を解説
SALES NOTEの項目:作成日、販売先名、受取人、梱包、船積、到着場所、支払方法、荷印、明細欄

項目名や記載方法は書類作成者によって若干異なるところはありますが、SALES NOTEには概ね上記の内容が記載されています。

続いては、同じく貿易書類の仲間であるPROFORMA INVOICEとの違いについて触れていきます。

PROFORMA INVOICEとの違い・関係について

「SALES NOTE」と検索した際、サジェストにときどき“PROFORMA INVOICE”と表示されたことはないでしょうか?
詳しい内容は過去の記事にて解説していますので、ここではSALES NOTEとの役割の差についてご紹介していきます。

まずPROFORMA INVOICEはINVOICE(送り状)の一種で、「仮、形式上の送り状」を指します。

売主が買主に向けて発行する書類であり、正式なINVOICE作成前の見積書代わりとしての役割や、COMMERCIAL INVOICE(商品を発送する際に発行される請求書)が用意できない状況で代替書類として使用されています。

対してSALES NOTEは前項で示したように売約書の役割を持っており、順序としてはPROFORMA INVOCE(契約締結前/見積)→SALES NOTE(売買契約の締結証明)といった流れが一般的です。
各貿易書類がどのフェーズで使用されるかについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ぜひ参考になさってください。

【図解付】輸出業務のフローとは?必要書類・取引関係者・事例なども解説!|サンプランソフト

SALES NOTEの作成・管理を効率化する秘訣

次にSALES NOTEの実務的な面について、事例を基に見ていきましょう。
東京都のとある商社では、1つのINVOICEに200~300のアイテムが含めることが多く、大量のSALES NOTE作成やその後の書類への受注データの転記などが業務上の課題となっていました。

これらのソリューションとして貿易管理システムを導入することで、なんと実務作業が従来の3分の1に削減されたという成果を挙げられています。

「書類作成のための残業はほぼゼロとなった」という体験談は、本稿をお読みの皆様にも興味深いトピックではないでしょうか?
株式会社ウエノ – TRADING事例紹介 |サンプランソフト

それでは具体的な効率化の方法をお伝えしていきます。
例えば、見積書の情報を手入力でSALES NOTEへ転記しようと思うと、日付/商品名/数量/単価/Trade Terms…多くの項目をモレなく記載しなければなりません。

事例でも触れましたが、これらの効率化に最もオススメなのが適切なシステムの選定・導入です。
選ばれるソフトにもよりますが、わずかな操作で「見積書」→「SALES NOTE」の作成といったスピードアップが可能となるのです。下図は「TRADING」シリーズという貿易管理システムの一例です。

SALES NOTEの作成・管理を効率化する秘訣

図中では、転記したい見積書の番号を入力するだけで、内容がSALES NOTEへ記載されていますね。

また、海外との取引では注意書き(Remarks)の記載が多く発生します。
ソフトによっては定型文登録機能によるタイピングミスの防止や、Word感覚で自由度の高い書類作成が可能なものがありますので、用途に合わせた選定を行うことでより高い効果を生み出します。

このようにシステムの導入は、これまで手作業だった業務スピードや正確性の向上を飛躍的に推進します。
特に、手書き/Excelでのコピー&ペーストが多いご担当者様にとっては、まさにベストプラクティスとなりうるでしょう。

このような書類作業のスピードアップや正確性の担保といった分野については、人力ですとどうしても限界がでてきます。
ショートカットやマクロの駆使、チェックリストを増やしたりといった手法は確かに導入しやすくローコストではありますが、ミスの温床でもあり、何より担当者への依存・負担に繋がってしまいます。 

そして業務改善の第一歩として、システムを取り入れることは時流としても後押しされています。
昨今では経済産業省がIT導入補助金事業を主催しているように、政府としても民間へDXを推進せんとする動きが活発化しています。

上記のような機能を持つシステムの導入はヒューマンエラーの予防のみならず、効率改善やブラックボックス化の防止といった業務DXの第一歩として、非常に有益なソリューションとなりうるでしょう。
輸出管理書類の効率化をお考えの方は、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

●売約書 (SALES NOTE/SALES CONTRACT)の意味・役割
→売約書は、輸出者が輸入者に宛てて作成する「売る約束」を示す書類
契約の成立自体に必須ではないが、売主・買主の責任範囲や損害補填の分担を明確にする役割を持つ

●SALES NOTEのテンプレート・書き方を解説
→項目や記載方法に厳格な定めはないが、主に以下が記される
(作成日/販売先名/受取人/梱包/船積日/到着場所/支払方法/荷印/明細)

●PROFORMA INVOICEとの違い・関係について
→PROFORMA INVOICEは見積書代わりの仮送り状、SALES NOTEは売約の締結書
契約締結後はSALES NOTEで売買契約を証明する流れが一般的

●SALES NOTEの作成・管理を効率化する秘訣
→手入力による記載漏れやヒューマンエラーの発生リスクは、貿易管理システムの導入での解消がオススメ
選定するソフトにもよるが、大量の転記/正確性の担保をわずかな操作で実現

この記事を書いた株式会社サンプランソフトは、30年間一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
輸出入業務に精通した営業・システムエンジニアと、貿易管理システム「TRADING」で貿易業務における悩みを解決してみませんか?
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著者:株式会社サンプランソフト
1994年の設立以来、一貫して貿易システムの開発・提供に取り組んでいます。
弊社が提供する貿易管理システム『TRADING』は、輸出入・輸出・輸入・国内販売管理に関わる業務を一元管理し、
貿易業務の標準化と効率化を実現するクラウド型パッケージソフトです。
これまでにのべ2,000社以上の導入経験から得たノウハウを活かし、お客様の課題解決を支援しています。