Shipping Instruction(S/I)とは?作成例や注意点を紹介

Shipping Instruction(S/I)とは?作成例や注意点を紹介

昨今、サプライチェーンは大きな混乱に見舞われ、海上輸送も例外ではありませんでした。COVID-19パンデミックの影響による世界各地でのロックダウンや制限措置がとられたことによるものです。

いわゆる”コロナ禍”から脱した2024年現在においても、FTAの増加による貿易エリアの拡大や新興市場の台頭に伴い、貨物の輸送がますます重要視されています。

このような状況の中で、Shipping Instruction(S/I)は船積手続きにおいて、非常に重要な役割を持っています。
本記事では、S/Iの概要から記載方法、テンプレートを用いた書類作成についてご紹介していきます。

Shipping Instruction(S/I)とは?

Shipping Instruction(S/I)とは、日本語で船積依頼書を意味します。

船会社や航空会社が発行するB/L(船荷証券/Bill of Lading)や、Waybill(貨物運送状/ウェイビル/運送状)に記載される情報のベースとなる書類です。

貿易取引において、貨物を輸出する際、輸出業者はフォワーダーに通関手続きや船積手続きを依頼します。その際、貨物の内容がわかるINVOICE(インボイス/送り状)とPACKING LISTとともに、「Shipping Instruction」を提出することが求められます。

Shipping Instruction(S/I)とは?

また信用状取引では、輸入者が申請し、信用状発行銀行が作成した信用状(L/C)に記載されている信用状条件通りに正確に記入しないと、輸出者自身も商品代金を受け取ることができません。

輸出者がS/Iを正確に作成し、信用状の条件に従って貨物を発送することで、支払いの保証を受けることができます。

ちなみに、S/Iに決まった様式(書式)はありませんが、主要項目はほぼ共通しています。実際に何が記載されているのか、次項で見ていきましょう。

S/Iのフォーマット・書き方を解説

S/Iの主要項目について、下図を例に見ていきましょう。

S/Iのフォーマット・書き方を解説
S/Iの書き方フォーマット

項目名や記載方法は書類作成者によって若干異なるところはありますが、Shiping Instructionには概ね上記の内容が記載されています。

S/Iは誰が作る書類?作り方は?

冒頭で少し述べましたが、輸出者に提出義務があることから、作成も輸出者となる場合が大抵です。
なお、輸出者の依頼を受けたフォワーダーが作成することもあります。

作成方法については、書式の規定がないことからExcelなどの表計算ソフトでフォーマット規定・記載ともに行われることが多いようです。
しかし記載もPCを使うとはいえ、実際の現場ではタイプミスや誤ったコピー&ペーストなど、ヒューマンエラーが度々みられるという声も聞かれます。

例えば信用状取引を採用している場合、記載内容の誤記が代金受け取りに直結することから、S/Iの正確な記入はとても重要度が高いといえるでしょう。
次項では、いかに作成ミスを無くすか?という観点でS/Iを見ていきます。

S/Iをテンプレートで作成するメリット

さて、見出しに”テンプレート”とありますが、S/Iにおいてはどういったものをイメージされるでしょうか?
身近な例であれば、Excelにリストメニューやマクロを盛り込み、手書きを極力削減するという手法があるかと思います。

このようなオリジナルのテンプレート作成は、誤記の防止や業務効率化に大変効果的といえます。
しかしながら、次のようなデメリットも念頭に入れねばなりません。

デメリットを大きく分けると、下記の2点があります。
● テンプレートの複雑化・・・正確さを求めるあまり複雑な作りになり、操作が煩雑になってしまうケース
● 作成担当への属人化・・・テンプレートの作成者以外は直し方が解らなくなるケース→将来的に担当者の不在から、レガシーファイルとなってしまう危険性もある

しかし、テンプレートのメリット、手軽な書類作成は捨てがたい・・・という方には、貿易用ソフトウェアの導入がオススメです。例えば「TRADINGシリーズ」というソフトには、輸出入帳票の自動作成機能が搭載されています。

Shipping Instructionももちろん含まれており、INVOICEやBOOKINGといった帳票のデータを自動で引用することで、2-3クリックだけでミスなく正確な書類が作成可能です。

Excelのようにメンテナンスを自社で行う必要もなく、ソフトの使用方法なども導入時からサポートされるため、自社の業務に専念できるという利点も大きいのではないでしょうか。

【まとめ】Shipping Instruction(S/I)とは?作成例や注意点を紹介

Shipping Instruction(S/I)とは?
→船積依頼書を意味し、船荷証券や貨物運送状の基となる書類

S/Iのフォーマット・書き方を解説
作成日/荷送人/荷受人/着荷通知先/船名/荷揚港/船積港
荷渡値/船会社/出航予定日/商品明細/運賃支払い などが一般的
*S/Iに決まった様式はなく、作成者・企業により書式の差異あり

S/Iは誰が作る書類?
1) 輸出業者など、貨物を輸出する者
2) または、輸出業者より依頼されたフォワーダー  

S/Iをテンプレートで作成するメリット
1) 記入ミスの低減
2) 作成時間の効率化
(ただし、メンテナンスの手間や属人化のデメリットを含む)

→メリットを全面に受けるには、専用の貿易ソフトの導入がオススメです

今回はShiping Instructionの概要に述べさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
規定の書式がないことから、輸出業務に携わる担当者様は苦心してフォーマットを作成されているかと存じます。

しかし業務の効率化を目指してExcelファイルを複雑化しすぎた結果、特定の担当者しか書類作成が難しくなってしまったというお話もよく耳にします。

上述したように、ソフトの導入による帳票作成の自動化は非常に効果的なソリューションです。
また、パッケージに含まれる会計・在庫管理などの豊富な機能を活用することで、業務全体の効率化も増進し、導入による御社業務とのシナジーも大きく期待できるといえるでしょう。

この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間、一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
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