ISF(10+2ルール)とは？項目や提出期限までの流れをわかりやすく紹介！

ISF(10+2ルール)とは？項目や提出期限までの流れをわかりやすく紹介！

アメリカに貨物を輸入する場合に必要なISF(10+2ルール)とは？
アメリカに貨物を輸入する場合は、ISF(Import Security Filing)または通称10+2ルールが欠かせません。

対象になる貨物や必要な項目、提出期限、罰則などについて、わかりやすく解説いたします。

ISF(10+2ルール)とは

ISF(Import Security Filing)、通称10+2ルールとは、アメリカ向けの貨物に課されるセキュリティー規則のことです。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件の後、テロ防止対策として2009年より米国税関・国境警備局(CBP)により定められたルールです。

輸入者もしくは代理店は、アメリカ向けの貨物に米国税関・国境警備局(CBP)に対し、あらかじめ決められた10項目の情報を提出する義務が発生します。これが10+2の10です。

また、+2とは、貨物を請け負う船会社が米国税関・国境警備局宛に提出しなければならない2項目のことです。
補足ですが、アメリカを経由して第三国へ輸送される貨物についても、5項目の情報を提供しなければなりません。

ISFの10項目について

ISFの10項目について

次に、ISFの10項目について説明いたします。
輸入者もしくは代理店は、アメリカ向けの貨物に米国税関・国境警備局(CBP)に対し、下記項目を情報提出しなければなりません。

  1. 販売者の名称及び住所
  2. 買主の名称及び住所
  3. 輸入業者登録番号・FTZ申告番号
  4. 荷受人番号
  5. 製造業者・サプライヤーの名称及び住所
  6. 配送先の名称及び住所
  7. 貨物の原産国
  8. 貨物の6桁のアメリカの統計品(HTSUS)番号
  9. コンテナ詰めされた場所
  10. 取り扱い混載業者・コンテナ詰めを行う業者の名称及び住所

ISF 10項目の提出期限について

1~8については、アメリカ向け本船への船積み24時間前までに行います。
そのため、トランシップ(積み替え)などを行ってアメリカへ輸入する場合は、トランシップ後のアメリカへ向かう本船の船積み24時間前までに行えば大丈夫です。

9、10については、本船がアメリカ寄港地に到着する24時間前までのできるだけ早く行う必要があります。
ただし、5～8の情報については、本船がアメリカへ入港する24時間前までの修正が可能です。

ISFの+2項目について

ISFの+2項目は、船会社が米国税関・国境警備局宛に提出しなければならない2項目です。
その項目については下記の通りです。

  1. 該当コンテナの状況(Vessel Stow Plan)
  2. 該当コンテナの輸送状況・計画書、コンテナステータスメッセージ(Container Status Message)

ISF+2項目の提出期限について

1、2ともにアメリカ向け本船への船積み24時間前までです。

ISF 5について

ISF の5項目とは、”アメリカで荷下ろしを行い、第三国(カナダ・メキシコ・中南米等)へ輸送される貨物”および、”アメリカで荷下ろしはしないが、アメリカへ寄港する本船に積載されている貨物”がある場合に、提出しなければならない項目のことです。

ISF の5項目についても、貨物を請負う船会社が米国税関・国境警備局(CBP)宛に提出しなければなりません。

  1. ブッキングした者の名称及び住所(Booking party name and address)
  2. 配送先の名称及び住所(‘Ship to party name and address)
  3. 貨物の6桁のアメリカの統計品(HTSUS)番号(Commodity Harmonized Tariff Schedule of the US Number)
  4. 貨物の荷下ろしを行う港(Foreign port of unloading)
  5. 貨物の配送先(引き渡し場所)(Place of delivery)

ISF 5の提出期限について

1~5すべて、アメリカ向け本船への船積み24時間前までですが、アメリカで荷下ろしを行わず、そのまま第三国へ輸送する場合は、船積み前のいつでも大丈夫です。

輸出者がすべき対応

SF(10+2)のそれぞれの項目については、輸入者が米国税関・国境警備局(CBP)へ申告する義務がありますが、輸入者側で提供することが難しい情報は、輸出者側で素早く提供するように心がけるべきです。

特に、三国間の取引などでは、輸出企業が情報の提供を行わないと、取引が成立しない可能性につながります。
また、その際に必要な費用については、事前に明確に取り決めておくことが重要です。

違反者の罰則について

違反者の罰則について

ISF(10+2)ルールを履行できなかった場合、違反した輸入者に対して、1件あたり5,000USドルの罰金が科されます。

また、ISFが正確に送信されなかった場合は、貨物の輸入が許可されず、混載コンテナについては、1件のデータ不備により、同じコンテナに混載している他の輸入者の貨物の輸入が許可されない可能性もあるので、注意が必要です。

【まとめ】ISF(10+2ルール)とは？項目や提出期限までの流れをわかりやすく紹介！

ISF(10+2ルールと5つのルール)について説明させていただきました。

アメリカへの貨物輸入において、ISF(10+2ルール)およびISFの5項目は避けて通れない重要な手続きとなります。
これらの手続きを正確かつ迅速に行うことは、スムーズで効率的な輸入プロセスを確保するために不可欠です。

手続きの複雑性や正確な情報提供の必要性の観点から、代理申請サービスを活用することも一つの選択肢です。
通関業者、運送業者、システム会社などが提供する代理申請サービスは、負担を軽減し、専門的なサポートを得ることができるため、安心して利用することができるでしょう。
輸入者はこれらのサービスを活かし、スムーズな国際貿易を実現する一翼を担うことが求められます。

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