「日本輸出入者標準コード」とは何ですか?取得メリットや登録・更新方法を紹介!

「日本輸出入者標準コード」とは何ですか?取得メリットや登録・更新方法を紹介!

輸出、輸入の通関許可が下りると税関から輸出通関許可書、輸入通関許可書が発行されます。
この許可書の輸出、輸入者の欄の名称の前に記載されるコードのことを「日本輸出入者標準コード」と言います。

今回はこの「日本輸出入者標準コード」について紹介します。

「日本輸出入者標準コード」とは?

「日本輸出入者標準コード」は輸出入貨物の通関手続きをオンラインで処理するNACCSというシステムに使用される輸出入業務を行う当事者を特定するコードです。
JASTPROコード、NACCSコード、輸出入者コード、などとも呼ばれています。
このコードは、一般財団法人 日本貿易関係手続簡素化協会(JASTPRO)が有料で発給しています。

「日本輸出入者標準コード」を利用することでNACCS申告(税関等電子手続き)での同名企業との取り違えや英文名称、住所のスペルミスを避けることができるだけでなく、関税等の口座振替制度などを利用することができ、電子申告のメリットを得ることができます。

「日本輸出入者標準コード」は貿易関係業界では貿易を継続して行っている企業、個人事業者が登録されているものとして理解されています。また登録に当たり、登記事項などの確認、実在確認などの審査を経ているため、信用力の向上につながっています。

なお、「日本輸出入者標準コード」とともに「輸出入者符号」と呼ばれる「税関発給コード」は、先に述べたNACCSコードと基本的な役割は同じですが、輸出入者だけでなく、海外の仕向人、仕出人の登録もできることが特徴です。
現在、法人番号を持っていない個人等が対象で税関が無料で発給を行っています。

「日本輸出入者標準コード」を取得するメリット

「日本輸出入者標準コード」を取得するメリット

継続的な輸出入の申告がある企業は、「日本輸出入者標準コード」または税関発給コードを取得することにより、以下のようなメリットが得られます。

  • 取り扱い貨物の正確かつ迅速な処理手続きが行われます
  • 口座振替による納税が行えます
  • 輸入関税および消費税の納税について、輸入時から3カ月まで納付期限の延長が可能となります
    (銀行または保険会社からの担保提供を条件となります)
  • 包括審査が適用されます
  • 海上保険における包括保険が適用されます
  • 海上保険料請求書(デビットノート)を省略して、契約の海上保険レートから換算した一定の数値での通関が可能となります
  • 輸入申告の簡易申告制度や輸出申告の特定輸出申告制度、包括評価申告制度などが利用できます

「日本輸出入者標準コード」の取得方法と更新方法

「日本輸出入者標準コード」の登録はJASTPROのホームページから行えます。
こちらで登録に必要な確認資料、登録手数料を法人、個人事業者、個人、非居住者ごとに案内しています。

必要な資料を準備し、申込フォームに必要事項を入力します。入力した内容の登録時に手数料の請求書が発行されます。
そこで指定された口座への振込が確認されると登録が完了し「日本輸出入者標準コード」の「登録完了メール」が登録されたメールアドレス宛に届きます。

「日本輸出入者標準コード」には有効期間があります。
登録の有効期間終了月の3ヶ月前になりますと、JASTPROより「更新の手続きの案内」が、登録した電子メールアドレス宛に電子メール及び登録住所宛に書面(ハガキ)で届きます。

登録期間の更新は、有効期間終了月の3ヶ月前から手続きが可能となっています。
登録期間の更新は新規登録時と同様JASTPROのホームページより行います。

更新手続きが完了すると、有効期間は前の有効期間満了日の翌日から3年間(36か月間)となっています。
有効期間内に更新手続きが行われないと、コードは抹消します。

日本貿易関係手続簡素化協会(JASTPRO)について

日本貿易関係手続簡素化協会(JASTPRO)は貿易関係手続を簡素化し、業務効率化に資することを目的として、1974年に関係官庁、業界団体、企業のご支援を得て設立されました。

書式標準化、電子化への提言、調査・研究成果の普及・広報活動など我が国の貿易関係手続の簡素化に努めるとともに、国連CEFACT(貿易円滑化と電子ビジネスのための国連センター)の日本代表団の事務局として、国際機関や諸外国の関連機関と連携し活動しています。

また、NACCS申告など貿易関係電子手続で利用している日本輸出入者標準コード(JASTPROコード)の発給・管理を行っています。

NACCSについて

NACCSについて

NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)は、入出港する船舶・航空機及び輸出入される貨物について、税関その他の関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務をオンラインで処理するシステムです。
船舶・航空機の入出港の手続き、輸出入申告、各種行政手続きについてオンラインで迅速かつ的確に処理するシステムで、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社により管理・運営がされています。

2008年10月のSea-NACCSの更改、2010年2月のAir-NACCSの更改を機に国土交通省の港湾EDIシステム、法務省の乗員上陸許可支援システム、農林水産省の動物検疫検査手続き電算処理システム(ANIPA)、輸入植物検査手続き電算処理システム(PQ-Network)、厚生労働省の輸入食品監視支援システム(FAINS)、経済産業省の貿易管理オープンネットワーク(Japan Electronics Open Network Trade Control System: JETRAS)など、各省庁で個別に管理していた輸出入関連システムが統合されました。NACCSを利用することにより通関手n続き等にかかる時間が大幅に削減されています。

NACCSのメリットとして主に以下のようなことが挙げられます。

  • 税関や関係行政機関に出向く必要がなくなること。
  • 各種申告・申請等をペーパーレスに処理することができること。
  • 貨物情報をリアルタイムに把握できるため、顧客からの問い合せにも迅速に対応ができること。
  • NACCSに登録、蓄積された情報を随時に取り出すことができて、入力の負担が軽減されること。
  • 輸入申告の際に、為替レートの自動計算、税額の計算機能のほか、関税などの税金を銀行口座から納付することができること。
  • 様々な情報を利用が相互に交換する情報伝達システムの機能も有していて、複数の利用者間で情報を共有することができること。

【まとめ】「日本輸出入者標準コード」とは何ですか?取得メリットや登録・更新方法を紹介!

輸出、輸入許可書にはさまざまな情報が記載されています。
通関の際には申告する貨物の内容や、申告金額(この金額により輸入の場合は納税金額が決定します)などが輸出、輸入の通関申告では重要なチェックポイントとなります、こちらの見方については実務を行っていれば乙仲業者とのやりとりなどでも確認することができるでしょう。

そこで今回はあえて、輸出、輸入する貨物ではなく、輸出、輸入業者の情報となる「日本輸出入者標準コード」についてご紹介させて頂きました。
また輸出入業務を行っているとよく耳にする「NACCS」についても参考として概要をご案内させて頂きました。

参考サイト:JASTPROホームページ
      JETROホームページ
      NACCSホームページ

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