B/L(船荷証券)とは?定義・実務の流れ・AWBとの違いをわかりやすく解説

B/L(船荷証券)とは?定義・実務の流れ・AWBとの違いをわかりやすく解説

ECビジネスの興隆も著しい昨今、コンビニエンスストアで荷物を受け取る際には、紙の控え、アプリのバーコード、SMSの番号など、様々な方式が採られています。

B/L(Bill of Lading)とは、国際版の「コンビニ受け取り番号」のような存在であり、“正しい受取人”を証明し、貨物を引き渡すための鍵となります。

そしてオリジナル、サレンダードなど、形態が複数ある点も類似していると言えるでしょう。
本稿では、貿易におけるB/Lの解説を中心に、書類管理やその注意点についてもご紹介していきます。

B/Lとは?:貿易の根幹を支える「権利書」について紹介

B/L(ビーエル = Bill of Lading)とは、貿易で用いられる船積書類の一つで、「貨物の引換券」といった役割を持ちます。
日本語では船荷証券と呼ばれ、「受け取りの権利書」かつ、後述する4つの役割を持った貿易における重要書類の一つです。

[B/Lの基本と受け取りのしくみ]
B/Lは貨物の積込み後に通常3通発行され、揚げ地での受け取りに欠かせない書類です。
もしB/Lが間に合わない場合は、受取人と銀行が署名した保証状を船会社へ提出することで、後からB/Lを差し入れる前提で貨物を受け取ることができます。

[信用状取引での役割]
信用状取引では、B/Lが有価証券として機能します。
輸出者はB/Lを銀行に提示して代金を受け取り、輸入者は代金を支払ってB/Lの受け取りと貨物の引き取りを行います。
この仕組みにより、取引の安全性と確実性が担保されます。

B/Lの流れ:オリジナルとサレンダードの実務プロセスを解説

B/Lは貿易取引において、大きく4つの役割を担っています。
図とあわせて、プロセスをご確認ください。

B/Lの流れ:オリジナルとサレンダードの実務プロセスを解説
  • 1.貨物受取証:船会社が貨物を受け取ったことを示す
  • 2.運送契約書:船会社と荷主の間での運送契約を示す
  • 3.有価証券:証券の譲渡で、所有権が輸出者→輸入者へ移転したことを示す
  • 4.権利証券:輸入者が貨物を受け取る際の引換証

そして以下がサレンダードB/L(船積地で回収されたB/L)の図解です。
輸入者が素早く貨物を引き取りたい場合などに用いられる手段となります。

サレンダードB/L(船積地で回収されたB/L)の図解

上図のようにサレンダードB/Lとは、船積地で発行されたB/L原本を運送人が回収し、その情報を仕向地へ通知することで、荷受人が原本なしで貨物を受け取れるようにする仕組みです。航海日数の短縮で書類未着が起こりやすくなったことから、アジア近距離航路を中心に利用されています。

[手続きと特徴]
発行済みB/Lには“SURRENDERED”などの印が押され、船積地で回収された旨が仕向地へ連絡されます。船積地回収の時点でB/Lは有価証券としての機能を失うため、L/C取引など担保性が必要な決済には適しません。

[利用時の注意点]
便利な一方、連絡遅延や費用精算の不一致によるトラブルが起こることもあります。運送人との連携や費用条件の確認を徹底することが、安全な運用につながります。

B/LとAWBの違いについて

以前のコラムでAWB(=航空貨物運送状)について紹介しましたので、ここではB/Lとの違いを紹介します。

[B/LとAWBの基本的な違い]
B/Lは有価証券として扱われ、原本の管理やサレンダードの有無が実務に直結します。
一方、AWBは非有価証券で、書類そのものよりも番号やデータの管理が中心です。
この性質の違いが、海上と航空での書類運用ルールを大きく分けています。

[書類管理で押さえるポイント]
海上輸送では「原本・コピー・サレンダード」の区別が重要で、書類の流通状況を正確に追う必要があります。
航空輸送ではAWB番号と到着情報の整合性が鍵になります。
両者の特性を理解して管理方法を切り替えることが、実務の安定につながります。

B/Lに付随するトピック:B/L fee/三国間貿易

最後はB/Lと深く関係のある用語について紹介していきます。

[B/L fee]
B/Lの発行手数料を表し、船会社から荷主へ請求されます。
なおNVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier=船をもたない海上輸送業者)から荷主に請求する場合は、Doc feeと呼ばれます。

[スイッチB/Lと三国間貿易]
三国間貿易では、仲介者A国がB国の輸出者情報をC国の輸入者に見せないことが基本です。
ただしB/Lは当事者情報がそのまま記載されるため、B国が発行したB/LをそのままC国へ送ることはできません。

A国はフォワーダーに依頼し、ShipperやConsigneeを差し替えたスイッチB/Lを発行してもらう、というプロセスが必要になります。

Q.
B/Lの原本を紛失した場合は、どうすれば良いでしょうか?

B/Lの原本を紛失した場合、原則として貨物の受取り不可となります。
ただし、輸入者が銀行へ「銀行保障状(Bank Guarantee)」を船会社へ提出依頼することで例外的に受け取ることが可能です。
この場合は保証料や担保が高額となるケースが多く手続きも煩雑なため、保管には注意が必要です。

Q.
B/Lの品名が実貨と違うとどうなりますか?

通関で止まり、訂正(Amendment)または追加書類が必要になるケースが大半です。

Q.
B/Lの訂正は可能ですか?

可能ですが、船会社の承認が必要で、場合によっては費用が発生します。

【まとめ】貿易におけるB/Lとは?実務プロセスを交えて解説!

■B/Lとは?:貿易の根幹を支える「権利書」について紹介
→B/Lは通常3通発行される貨物受取に必須の有価証券であり、代金決済と貨物引渡しの安全性を担保する。

■B/Lの流れ:オリジナルとサレンダードの実務プロセスを解説
→オリジナル(受取・契約・権利移転・引換証の役割を持ち、通常は原本で貨物を引き渡す)
 サレンダード(船積地で原本を回収→仕向地へ通知することで原本なしでの受取を可能にする)

■B/LとAWBの違いについて
→海上では原本管理が要となる有価証券のB/Lを扱い、航空では番号管理が中心の非有価証券AWBを用いる。

■B/Lに付随するトピック:B/L fee/三国間貿易
→B/L feeは船会社が荷主へ請求するB/L発行手数料で、NVOCC経由の場合はDoc feeとして扱われる。
→三国間貿易では輸出者情報秘匿のため、仲介国がフォワーダーに依頼してShipper等を差し替えたスイッチB/Lを発行するプロセスが必要。

本記事では、貿易におけるB/Lの紹介や実業務上でのプロセス、関連するワードについてご紹介しました。

今後は各国で増えつつある電子B/L(eB/L)をはじめとし、貿易管理の自動化やソフトウェアとのデータ連携等がさらに進む中、ドキュメント作成の属人化やフォローアップに不安を感じる場面も増えていくかもしれません。

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この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
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著者:株式会社サンプランソフト
1994年の設立以来、一貫して貿易システムの開発・提供に取り組んでいます。
弊社が提供する貿易管理システム『TRADING』は、輸出入・輸出・輸入・国内販売管理に関わる業務を一元管理し、
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